既刊の紹介酪農経営診断のまとめ平成15年

酪農経営診断のまとめ 平成15年

経営環境

2.乳価

 経営診断対象農家の消費税を含む集送乳経費差引前の農家の手取り乳価(乳成分補正前)の推移は図3のとおりで、平成2年以降、平成4年を除いて年々低下し、平成8年は前年に比べ3円45銭下がり92円02銭となった。平成9年は92円37銭となったが、4月以降消費税率が5%に引き上げられた結果である。平成10年は前年同様の水準の92円66銭、平成11年は92円44銭であった。
 平成12年は前述の通り、加工乳等による食中毒事故が発生したことで、生乳のみを使用した牛乳へ需要がシフトしたことから、飲用牛乳向け処理が増加したこと等により、農家の手取り乳価は93円25銭と、前年より81銭値上がりした。13年も引き続き農家の手取り乳価が上がっているが、これは食中毒事故に関連して、大メーカーへの一元的取引から流通が多元化した効果によるものと思われる。14年は酪農専門農協の合併統合により、精算方法が変わったことによる影響が大きく働いて、販売価格は上昇した。