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「おかやまヨーグルトフォーラム」報告

岡山県総合畜産センター 経営開発部 栗木 隆吉

1.県内産ヨーグルトの生産状況

 岡山県内には地域特産的にヨーグルトを製造している施設が5カ所あります。それは,蒜山酪農農協,岡山県西部農協加工センター,まきばの館ミルク工房(旧県酪連まきば工場),金時ファーム(ファーマーズマーケット),建部ヨーグルトです。この5社で年間約1350トンの製品を製造しています。

2.何故,ヨーグルトフォーラムか

 牛乳の消費量が伸び悩む中でヨーグルトを含むはっ酵乳は消費量を伸ばしています。その理由は,おいしくて食べやすいということもあるでしょうが,なんといっても健康に良いことがあげられます。
 しかし,こうした追い風がなかなか県内産のヨーグルトには吹いていないのも現状です。風をどうつかむか,また,技術的な支援を行っている総合畜産センターとして役割を果たすにはどうしたらいいのか。これらを考えるべくフォーラムを開きました。

3.フォーラムの概要

 フォーラムは去る1月17日建部町文化センターで150名余りの参加者で開催することができました。当日は,講演有り,試食有りでちょっと欲張りすぎたとの反省もありますが盛りだくさんの内容となりました。その内容は次のとおりです。

 (1) 講演会

 講演会では,腸内細菌の分野では日本の第一人者である光岡知足先生に「ヒトの健康とヨーグルトの魅力」という題でお話しいただきました。先生はブルガリアの人々が長命なのはヨーグルトのお陰と提唱したメチニコフ博士の推察を世界ではじめて科学的に実証した高名な研究者です。講師にお願いするにはちょっと敷居が高かったのですが,快くご承諾いただきました。内容を要約すれば,ヨーグルトの良さは@腸内をきれいにする,Aガンを抑える,Bコレステロールを下げる,C血圧を下げる,D免疫を強化する等いいことずくめということです。そして,ここがポイントですが,ヨーロッパでは料理によく使われているということです。先生は40年間ヨーグルトを食べ続けておられます。しかも,1日300〜350pもです。自ら人体実験をしているのだとおっしゃり,続けるには食べ方の工夫が大切であり,先生はきなこヨーグルトを愛用していることなどを分かりやすくご紹介下さいました。

 (2) 試食会

 岡山農業改良普及センターと建部町内の酪農家の方々の協力を得て,ヨーグルトを使った料理の試食会を開きました。種類は4種類で,フルーツヨーグルト,ヨーグルトポテトサラダ,小倉ヨーグルト,きのこスープでした。中でも,スープが評判でした。レシピーをご希望の方は総合畜産センターまでご連絡下さい(TEL 0867-27-3321 栗木)。

 (3) パネルディスカッション

 「地域特産品としてのヨーグルトの魅力」をテーマに3人のパネラーを迎えて行いました。いろいろな方にご意見をいただいたので時間が不足してしまい,尻切れトンボと反省は残りましたが,ヨーグルトについて皆さんの考えを伺えて有意義でした。

4.アンケートについて

 当日の参加者を対象にヨーグルトに関するアンケートを実施しました。ただ,参加者の3分の2は建部町内の方でしたから,結果もそういう目でご覧下さい。
 まず,質問2を見て下さい。やはりというか7割の方が「健康にいい」からヨーグルトを食べています。健康をイメージする「カルシウムが多い」,「おなかにやさしい」なども3割を超えて高い数字になっており,意識的に食べていることがうかがえます。
 また,質問3の食べたことのある県内産ヨーグルトでは,「建部町産」が8割弱でしたが,「蒜酪産」も7割を占めました。蒜酪の製品は県内の大きなスーパーでは大体売っていますし,買いやすいことと知名度が高いことがこの結果につながっているように思われます。
 さて,質問4の消費拡大にはどうしたらよいかです。「宣伝する」,「価格を下げる」,「買えるところを増やす」がいずれも3割以上でした。結構,現在の商品に満足している消費者の姿が想像されます。いかに購買を引き出さすかが当面の課題といえそうです。

5.県内産ヨーグルトの今後

 ヨーグルトなど発酵乳はプロバイオティクス効果(ヒトの体によい働き)が次々と科学的に明らかにされています。これからも,いろいろな効果,また,それを生かす方法が知られることでしょう。現に,ちょっと前までは3個100円だったヨーグルトですが,最近は1個が100円以上する健康によい働きや高級品志向を唱った製品が増えています。
 これからヨーグルトは,もっと生活に密着した食品になると思います。
 県内産のヨーグルトの振興を考えたとき,更に地域に根ざした特産品としての価値を築く必要があると思います。そのためには,普段に地域で消費される製品であることが大切ですあり,手軽に買える,料理や食べ方を普及するなどの工夫が必要です。

6.とにかく食べて

 当センターでは,現在,身体によい効果を強化したヨーグルトを生産者と連携して開発を進める計画です。基本は良質の生乳生産,心のこもった乳製品の製造,そして,生活に根ざした消費です。とにかく,おいしくて健康によい身近なヨーグルトをもっともっと食べてください。

 最後に,このフォーラムを開催するにあたり各方面の方々のご協力を賜りました。ご協力いただいた方々にあらためて感謝申し上げます。