既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第4章 養鶏の発達

養鶏の現状と問題点

 採卵鶏

 昭和55年2月1日の飼育戸数は4,960戸で前年の5,330戸に比較すると370戸の減少となっている。飼育羽数は590万8,000羽で,前年の588万7,000羽より2万1,000羽の増加となっており飼育者の大型化が進行している。鶏卵の生産量は,昭和53年の7万1,575トンから昭和54年には7万3,980トンと103.3%の増加となっている。生産者販売価格は,昭和53年1月から昭和54年8月まで低迷を続けたが,昭和54年9月からキログラム当たり約300円(月間平均価格)を維持しており,生産者も過去の赤字解消を図るために努力を続けている。
 一方では,配合飼料価格は高値で推移しており配合飼料供給安定機構の補てん金によって経営が安定している状況であり,さらに需要と供給のバランスを保つために生産調整を推進する必要に迫られている。しかしながら生産調整を進めるなかで,後継者,又は増羽によって経営の合理化を図ろうとする中小規模の生産者の意欲を低下させる欠点があり,今後の対応に問題がある。

 ブロイラー

 昭和54年2月1日の飼育戸数は167戸であり,今後の飼育戸数は大きな動きはないと考えられる。生産羽数は,昭和53年には,1,110万羽であったものが,昭和54年には1,051万羽となっている。この羽数の低迷の原因は,昭和52年から過剰生産による価格の低迷が続いているためであり,自主的な生産調整を行なっているが効果があがっていない。需要量の増加を図るため,今後は肉質の改善にも努力する必要がある。