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岡山農業改良普及センター管内で日々酪農家と対話するなかで,“清く,正しく,美しく”をモットーに高い経営理念により健全経営を営んでおられる岡山市牟佐の犬飼牧場をご紹介しようと思います。
牛乳という食料品を生産する酪農家としての自負をもって,常に清潔で栄養価の高い生乳を生産するよう心掛けています。
例えば,乾乳牛に対しては全頭乾乳軟膏を注入するとともに,乾乳期間中は粗飼料のみの給与により体細胞数を激減させています。また,夏期の防暑対策として屋根材に断熱材を用いたり,予備のバルククーラーで冷やした冷水で細霧冷房を行ったりして,乳質の低下を最小限に抑えています。

個体毎の能力を正しく把握し,適正な飼料給与・飼養管理を行うことによって,健康な牛群を維持することに努めています。
現在の乳量経産牛1頭当たり9,200sのレベルを維持しつつ,事故が少なく,無理のない安定的な経営を目指しています。


畜産環境の保全については特に配慮し,先手先手を打って,周辺住民から苦情が来ない対策を講じています。平成7〜8年にかけて糞乾ハウスと堆肥舎を整備し,臭いについても飼料中に4種類の菌(乳酸菌,イースト菌,納豆菌,麹菌)を添加し,消臭しています。
どんぶり勘定では,これからの農業はやっていけません。徹底した経営コストの削減が要求されています。犬飼牧場では,12月,3月,盆前の決算期に在庫処分品の良質乾草を大量に現金買付けすることにより,乳飼比を約43%まで抑制しています。また,朝夕の搾乳時間を40分と決め,余分な電気代を節約しています。さらに,どんなに産歴の高い老牛であっても必ず肉を付けて出荷し,育成費用の大部分を回収しています。
このような努力と研究により,県下トップクラスの所得率を確保しています。