| ホーム>岡山畜産便り > 岡山畜産便り1999年1月号 > “地域肉用牛肥育経営安定対策事業”の実施について | 

 肉用牛肥育経営の安定を支援するため,6岡山県畜産会では,農畜産業振興事業団指定助成事業として,地域肉用牛肥育経営安定対策事業を平成10年度(第3/四半期)から実施することになりました。
 その概要については,下記によりお知らせしますが,詳細につきましては,関係農業協同組合・同連合会及び配合飼料価格安定基金協会並びに6岡山県畜産会にお問い合わせ願います。
事業のねらい
 肉用牛肥育経営は,素牛の導入から肥育牛の出荷まで,一定期間を要することから素牛価格と枝肉価格の水準によっては経営の悪化が懸念されます。また,肥育素牛及び牛肉枝肉の市場価格の動向は,それぞれ地域によって異なることから収益性についても地域において差異があります。
 このような状況に対応するため,平成10年度から,新たに,地域肉用牛肥育経営安定対策事業(地域マル緊事業)がスタートすることになりました。
 あなたの,肥育経営を安定させるために,この事業に加入されるようお勧めします。
事業の内容
1.地域事業の発動の要件
 枝肉価格の下落により,肥育牛1頭当たりの品種別(肉専用種,その他)の四半期平均推定所得が,四半期平均推定家族労働費を下回った場合に発動されます。事業の発動は,都道府県知事により,四半期毎,品種別に指示されます。
 地域事業は,地域毎のデータにより肥育牛生産費を算定し,地域に関係のある市場の枝肉価格で粗収益を算定する方法で発動するので,より地域の実態に合った発動となります。
2.助成金の交付要件と対象頭数
(1)事業発動のあった四半期に,肥育牛の出荷があったことが前提となります。
(2)助成金の交付対象となる肥育素牛は,事業発動の四半期と次の四半期に導入・自家保留した素牛です。
 なお,助成金交付対象頭数は,事業発動期間の肥育牛出荷頭数(前期より繰越頭数を含む)と当該期間の肥育素牛の導入頭数のいずれか少ない頭数となります。
 出荷した肥育牛と助成金対象となる肥育素牛の品種は,違っていても構いませんが,その場合は,助成金交付対象品種に生産者が積立てを行っていることが,条件となります。
3.生産者積立金の納付と助成金交付頭数
(1)この事業は,肥育牛生産者が肥育経営を安定的に継続して行うことを目的とした事業です。このため,生産者の積立金は,品種区分毎(肉専用種,その他)に一括して管理を行います。
(2)生産者積立金は,肥育経営安定化計画書の出荷頭数を限度に,品種区分毎の安定化計画の導入頭数に,畜産会が定めた単価(肉専用種10,000円,その他5,000円)を乗じて算出された額となります。
(3)助成金の交付頭数は,上記2の品種区分毎の積立頭数(繰越頭数を含む)の範囲内で交付されることになります。
(4)全国事業の発動があった場合の地域事業の助成金の交付は,全国事業を上回る分のみとなります。
(5)業務年間の3年間が終了後,積立金による基金に残が生じた場合には,生産者が積立てた合計金額の比率により,各生産者に配分することになります。この場合,各生産者に対する助成金が交付額とは関係ありません。
(6)新規加入の人は,継続加入の人と同じ条件(生産者積立金の単価等)で加入できることになっています。
(7)各生産者に支払われる助成金は,各生産者の積立頭数を助成限度頭数とし,交付単価は,積立単価をベースにして,発動段階に応じた単価となりますが,基金全体で積立金に余裕があるときは,発動段階が積立段階よりオーバーしても,交付可能となります。
(8)生産者積立金の損金算入
 生産者が納付する生産者積立金は,税法上,損金算入が認められるよう国税庁と話し合いを行っていきます。
4.対象牛の要件
(1) 出荷肥育牛
ア.対象となる出荷肥育牛は,専ら肉量の増加を目的として,おおむね10カ月以上飼養した肥育牛です。
イ.経産牛の肥育したものは,対象となりません。ただし,計画的な1産取り肥育は対象となります。
(2) 助成金交付対象肥育素牛(導入・自家保留牛)
ア.助成金交付の対象となる肥育素牛は,12ケ月令未満であって専ら肉量の増加を目的として,導入・自家保留した牛です。
イ.生後6ケ月令未満で導入した子牛(ヌレ子を含む)及び自家保留牛は,自家で肥育仕向けとする場合は,生後8ケ月令になった日を導入日とすることとなっています。(これらの牛は,自家保留現地確認書に記入し,農協等の職員等が現地確認することとなっています。)
 なお,6ケ月令以上で導入した肥育素牛は,購買伝票の日を導入日とすることになります。
5.助成金
 肥育牛を出荷し,肥育素牛を導入・自家保留した場合,発動段階に応じて(都道府県知事が発動の指示)その肥育素牛に対し,次の範囲で助成金が交付されます。
 ただし,基金の合計額が不足している場合は,基金の支払い可能額の範囲となります。
 なお,当該肥育牛生産者の品種別の生産者積立頭数の範囲となります。
  肉専用種 1頭当たり 1万円~4万円以内
  その他 1頭当たり 5千円~2万円以内
事業加入の手続き
農家の皆さんにやっていただくこと
1.肥育牛助成金交付契約
 この事業に参加する肥育牛生産者は,肥育牛助成金交付契約を事業主体である,岡山県畜産会等と締結していただくことになります。
2.肥育牛生産者積立金の納付
 肥育牛生産者は,畜産会が定める日までに,肥育牛生産者積立金を納付することになります。積立金は,各生産者の素牛導入計画に従って,品種毎に行うことが肝要です。
3.肥育経営安定化計画書を農協等へ提出
 この事業に参加しようとする肥育牛生産者は,毎年度,農協等へ安定化計画書を提出して下さい。
4.出荷・導入等実績の報告
 肥育牛生産者は,肥育牛を出荷したとき,肥育素牛を導入,自家保留した場合,農協等へ,出荷・導入の状況を実績報告することになっています。
 なお,出荷,導入に伴う伝票類は,助成金交付の際の証拠となるので保存するようにして下さい。
地域事業の仕組と発動基準等
1.地域事業の仕組
2.発動基準
| 発動段階 | 発動基準 | 
| 第1段階 | 家族労働費×3/4≦四半期平均推定所得<家族労働費 | 
| 第2段階 | 家族労働費×2/4≦四半期平均推定所得<家族労働費×3/4 | 
| 第3段階 | 家族労働費×1/4≦四半期平均推定所得<家族労働費×2/4 | 
| 第4段階 | 四半期平均推定所得<家族労働費×1/4 | 
3.助成単価
|  |  |  | ||
| 肉専用種 | その他 | 肉専用種 | その他 | |
| 第1段階 | 10千円以内 | 5千円以内 | 10( 5)千円以内 | 5( 2.5)千円以内 | 
| 第2段階 | 20千円以内 | 10千円以内 | 20(10)千円以内 | 10( 5.0)千円以内 | 
| 第3段階 | 30千円以内 | 15千円以内 | 30(15)千円以内 | 15( 7.5)千円以内 | 
| 第4段階 | 40千円以内 | 20千円以内 | 40(20)千円以内 | 20(10.0)千円以内 | 
(注)地域事業の( )内の額は、生産者積立額を示す。