|
ホーム>岡山畜産便り > 岡山畜産便り1999年11・12月号 > 乳房炎を予防し,体細胞を減らそう! |
乳房炎予防のためには,正しい手順で搾乳を行うことが重要だと言われています。搾乳は,酪農家の皆さんにとって毎日行う作業のひとつですが,「正しい搾乳」となると案外知られていないことが多いようです。
そこで今回は,先日蒜山で行われた伊藤紘一先生(ウイリアムマイナー農業研究所教授)のセミナーから,搾乳についての内容をご紹介したいと思います。
「キレイですばやく」がキーワード
ウシは,乳頭に与える刺激によって分泌される泌乳ホルモン「オキシトシン」の作用によって乳を出します。オキシトシンが血中にあらわれて消えるまでは約5分間。ですから,この間に搾乳作業を終えることが非常に重要です。5分を越えると過搾乳の危険があります。
正しい搾乳の手順
(その1:搾乳準備)
@ 搾乳手袋をはめる
素手は決して清潔ではない。
シワやヒビのあいだに細菌が存在する。
A 前搾りをする
4本全部を2〜3回搾ること。
ストリップカップを使用して異常乳を発見しよう。
B プレディッピング
牛乳への残留の危険性の少ないものを選択する。0.1〜0.2%ヨーソ液が適。
C 30秒待つ
殺菌作用をおよぼすための重要なコンタクトタイム。じっと待て。
D 乾いた布またはペーパータオルでディッピング液を完全に拭き取る
濡れたものはダメ。水分を完全に除去すること。
(その2:実際の搾乳手順)
@ ミルカーユニットを装着
前搾りで乳頭を刺激してから60〜80秒後。このタイミングでオキシトシンが放出され始めるので非常に重要。
エアの流入にも注意をはらうこと!
A ユニットの位置を調整する
4本が均一になるように。
B ライナースリップを防止する
C 5分以内に搾り終わる
オキシトシン放出は約5分間。
すなわち,ユニット装着から脱着までを同じく5分間で行う。
D ユニットをはずす前にバキュームを完全に閉止し,自然に落下するまで待つ
マシンストリッピングはしないこと!
E 直ちにポストディッピングを行う
搾乳時にしてはいけない5カ条
1 乳頭以外の部分を洗ったり拭いたりしてはいけない
搾乳時は乳房が汚れていてもほうっておくこと。ティートカップは乳頭だけに装着するもの。
2 前搾り乳を手や指にかけてはいけない
もしその牛が乳房炎であるなら,細菌がほかの牛にも感染する危険性大。
3 ディッピング液を拭き取ったあと,乳頭をふたたび手で搾ってはいけない
手は雑菌だらけ。殺菌したのにこれでは台無し。
4 噴霧式のディッパーを使ってはいけいな
ディッピング液が乳頭全体にかかっていないことがしばしば。
5 牛乳の流れが知りたくて,ミルクチューブをつまんだり,クロー内の牛乳を送るためエアをいれてはいけない。
ミルカー内の陰圧を急激に変化させるようなことは御法度。