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自給飼料には色々な作物もあり又色々な輪作関係もあるが,ここではその中の一として既耕地を用いる事なくしかも容易に実行の出来るところの草生改良をとりさげることにした。
草生改良とは山野或は堤塘等の自然に繁茂している粗剛で栄養価が低く収量の少ないものを軟くて栄養価が高くて収量が而も家畜が好んで食べるところの牧草等に置き換える事である。優良なる牧草こそ家畜には絶対欠く事の出来ないものである。
牧草の選択と栽培技術はどうしたらよいか。
牧草にも色々な種類がある。例えばオーチャード,チモシー,レッドクローバー等多数あるがこれ等のうちどの種類を選ぶかは,地形,土質気候等によって異なるのでそれぞれ適地を求めて実施する事が必要である。
しかしながらここで地形,土質,気候等について詳しく述べる事は省略して現在岡山県一円に大体適するものとて奨励されている。レッドクローバーについて以下述べてみよう。
レッドクローバーは1−4尺位迄に達し花の色は淡紅色,淡紫色,紫色等を呈し短年生の草で普通2年生であるが1年の場合もあり時には数年耐え得るものである。このクローバーが永年生の如く思われるのは毎年の種子の落下によって再生するためである。
本邦へは徳川時代にオランダより輸入されたのが最初で以来各地に栽培されている。
成分を示すと次の様になっている
生草平均成分
| 水 分 | 粗蛋白質 | 粗脂肪 | 可溶無窒素物 | 粗繊維 | |
| 粗 成 | 78.3% | 4.4% | 1.2% | 6.9% | 6.5% |
| 可消化養分 | 2.9% | 0.6% | 5.1% | 3.5% |
乾草の平均成分
| 水 分 | 粗蛋白質 | 粗脂肪 | 可溶無窒素物 | 粗繊維 | 粗灰分 |
| 16.0% | 13.4% | 3.2% | 36.4% | 25.4% | 5.6% |
|
有機物 |
粗蛋白質 |
粗脂肪 |
可溶無窒素物 |
粗繊維 |
55% |
60% |
51% |
63% |
43% |
本草の適地は割合に肥沃なところでPH5.8−6.5位の微酸性土壌が適し酸性土壌には不適となっている。全然痩せている土地には出来難く或程度まで有機質を含んでいる土壌がよい。又割合乾燥した所にも耐え得るがやや湿測な所が適し雨量は990−1,320o位の所が好適である。
播種しようとする場所を全面草を短く刈取り次で條播を鍬巾に耕し雑草の根を除去する。点播の場合は直径15p―20p位に雑草の根を除去する。これを30p位の距離で三角形の頂度に設ける。酸性の所では播種10日―2週間位前に石灰を施用して酸度の適正化を図る。石灰の施用が播種前に出来なかった時は発芽後2週間位終って施用する。播種時に同時に石灰を施用することはさけなければいけない。
適期は9月下旬の彼岸前後が最も良く春播の時はやはり3月の彼岸前後である。萱科植物であるから根瘤菌を接種して播種すれば極めて好成績である。
播種量は大体反当5合位であるが種子が極めて小粒であるからそのままでは厚播となりやすいので約同量の砂と混合して播種するが良ろしい。厚播は発芽当時は非常に良く見えるが其の後枯死してなくなったり或は極めて生育の悪いものとなりやすいものである。覆土は軽く種子がかくれる位を適度とする。
発芽が3,4日にて降雨のあることが望ましいが大体6日位で発芽する。
播種した翌年の1月に希釈した牛尿等を施用し2月には腐熟廏肥を施用することが望ましい。何故ならばレッドクローバーは耕地に栽培しないので作物と言う気持がないのでとかく管理が怠り勝であるので良い成績をあげ得なかったのはこの肥培管理が重大な原因をなしているからである。よってどこまでも作物として取扱うことが最も必要です。
播種の翌年は2回刈3年目からは3回刈とする。刈取の時季は開花期が最適である。
収量は反当生草で一番刈約1,500貫,干草で200貫,二番刈生草で約300貫,干草で500貫位である。
レッドクローバーは生草,草或はサイレージ等何れであっても家畜は好んで飲食して立派な家畜が出来るところの有望な飼料作物であるからここに農業の方々に草生改良の声を大にして呼掛けるゆえである。
栽培御希望の向は直接県畜産課に御問合せ下さい。