| ホーム>岡山畜産便り>復刻版 岡山畜産便り昭和26年1月号 > 畜産ニュース 馬を牛に乗り替えた農家 |
▲…家畜ほどわれわれ人類の衣,食,住に偉大な貢献を果して居るものはない。戦時,平和を問わずわれわれは家畜なくしては生活出来ぬ切っても切れない間柄なのである。それでは最近の家畜はどうなっているだろうか,家畜の方から言わせれば我輩たちがかくも人類に偉大な功績を立て尽しているのにその趨勢を弁えぬとは,都合のいい時に殺して利用するのはあんまりだ。それでは死甲斐もないと言うそこで敢えてこれをグラフで解明し彼等の申し分を聞くことにしよう。
▲…戦争の末期から終戦後のドン底にかけて家畜はスッカリ減ってしまったが23年あたりからは物すごく増え始め24年度は同年度から実施された畜産5ヶ年計画の目標を2割も上回ってしまった。すなわち家畜単位をとって見ると,昭和19年度の408万単位が昭和の最高であったのが終戦後ガタンと減り始め21年は324万単位の最低記録を示したが,23年度には350万単位,24年度には375万単位と昭和10年の頭数を上回り5ヶ年計画の355万単位を2割も上回っている。(注家畜単位とは各種の家畜家禽を大家畜(牛,馬)に換算したもので換算率は緬羊,山羊各10,兎50,鶏,アヒル各100を牛馬の1と同等に計算それぞれ1家畜単位とする)
▲…このすさまじい増加理由は23年ごろから食糧事情が好転して飼料需給がすこぶる緩和されたり農家の有畜農業の転換や,戦後のインフレで家畜値段が上ったため農家や業者が競って増殖した結果でもある。既に飼料の統制が外されているため家畜価格がやや下って居てもまだ今後増加するものと期待されている。
▲…家畜別に見ると一番増えたのが豚で21年の88,000頭が24年度には488,000頭で6倍半,目標の3倍近くになっている。鶏も21年からは100万羽近く増え,役肉牛が265,000頭,緬羊が230,000頭,山羊が336,000頭,毛皮用兎が873,000匹,毛用兎(アンゴラ)が輸出を背負って205,000匹,アヒルも165,000羽と増えているが,馬は23,000頭きり増えず,むしろ23年度から減っている。これは競馬が競輪にとられたことは微々たることだが何といっても農家では馬より牛を使用し始めたためで,この傾向は馬にとって牛の進出が大恐慌を来たしているわけでまことに同情に値するものである。

| 24 年 度 | 25 年 度 | 26 年 度 | 27 年 度 | 28 年 度 | |
| 乳牛 | 17.1(20.1) | 19 | 19.2 | 20.9 | 23.1 |
| 役肉牛 | 192.9(209.1) | 201.9 | 211.1 | 221.1 | 233.1 |
| 馬 | 109.2(107.2) | 114 | 119.1 | 124.4 | 129.6 |
| 豚 | 17.0(48.8) | 22.8 | 31 | 42.5 | 57.7 |
| 緬羊 | 29.7(32.7) | 33.3 | 37.4 | 42.4 | 48.6 |
| 山羊 | 32.8(45.7) | 36.8 | 41.8 | 47.8 | 54.8 |
| 毛皮用兎 | 349.7(346.7) | 423.3 | 489 | 556.1 | 601.2 |
| 毛用兎 | 15.6(22.6) | 22.6 | 32.8 | 48 | 69 |
| 鶏 | 1,905.3(1,635.6) | 2,198.20 | 2,542.30 | 2,922.60 | 3,416.80 |
| アヒル | 28.0(24.5) | 36.7 | 43.6 | 45.1 | 48.5 |
括弧内は実績各年度2月1日現在の頭羽数。