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家畜保険と言った時代から昭和22年に農業共済の1部として家畜共済が生れたので其の大要は御承知であるが最近の状況を書いて見よう。
先ず家畜共済で取扱家畜は牛,馬,めん羊,山羊,種豚である。
種類には死亡廃用,生産,疾病障害と3種があるこれは従来の家畜保険時代から見ると大きな進歩であると共に有畜農家にとっては良いことである。
この家畜共済も最早4才になったので昭和26年度から新掛金率で行くことになり今掛金率の改正中である。おそらく6月頃より新率で行くことになろう。
尚昭和26年度において適用する死亡廃用の最低共済金額に対応する共済掛金の基準等は前年通りであり下記に揚げて見ると
出生後第5月の月の末日を経過した牛及び明2才以上の馬
100円から200円まで
出生後第5月の月の末日経過した
牛 1,500円 めん緬 400円
種豚 700円 山羊 400円
馬 2,000円
1.死亡廃用共済について
イ.乳牛 100分の70
ロ.種雄牛種雄馬及び輓馬 100分の90
ハ.その他の牛馬 100分の70
ニ.山羊めん羊及び種豚 100分の90
2.疾病障害共済については100分の70
3.生産共済については 100分の90
これによって見ても再保険はその7割及び9割政府が補償しているこれ即ち共済を堅実に運営するためである。又前記の最低共済掛金の半額は国庫負担となるので農家負担は実に僅少でありこれによって家畜の不慮の災害を防ぎ尚その災害の再健を図ると言うことは家畜所有者には恵まれた事業であろう。
進んで加入をお奨めするものである。
昭和25年度の成績を一寸覗いて見る
(2月末現在牛)
県下加入有資格頭数は大体 85,000頭
加入頭数(死亡) 54,702頭
事故頭数 828頭
支払共済会 14,443,624円
この様に828頭の事故は加入頭数に54,000余頭より見ると実に1.5%の事故率で有り(3月を除)同年度の家畜共済は組合に対して大きな再建の鍵となっていると思う,次号には25年の成績を掲載して諸兄の御研究を願い家畜の事故のため特に本年の如き流行性感冒の大流行にどんな役割をしたか等説明して愛される家畜共済としたい考えであり御質問があれば御相談下されば本誌により御回答申上げます。(宇野技師記)