| ホーム>岡山畜産便り > 復刻版 岡山畜産便り昭和28年3月号 > 畜産技術講座 畜舎,厩肥舎,サイロの作り方(一) |
| 昭和27年度において農林漁業資金により堆肥舎とサイロの融資が全国で1億5,000万円あったが,その後28年度においても継続事業として行われる予定であるので,これら建設及び計画に資するため「セメント協会」発行のパンフレットを参考にしてここに登載した。 |
畜舎の床をコンクリートとすれば次の様な利点がある。
1.貴重な速効性成分を含む尿の床下への滲透漏出を防ぐ。
2.腐熟してから施用した方が肥効の多い糞と尿を分離して肥料成分の損失を少くする。
3.舎内からの厩肥の取出しが便利となる。
4.床の湿潤を避け乾燥に役立って家畜の保健によい。
下の方3寸(約10p)位栗石等を敷詰め,その上にコンクリートを3寸以上打って更にその上面に5−6分(約1.5p)厚さにモルタルを塗る。床面は30分の1(1間に2寸位)の勾配をつけ,尚適当な引溝を設けて尿がよく分離するようにし,日当りをさけ北側舎外に尿溜を設けて蓋をする。
役牛馬は畜舎の房内に繋がないで入れておくが,乳牛は舎内面積が割合少くてすみ,管理に便利なため繋留式にする場合が多い。この場合は牛房の後方に巾1尺2寸以上の尿溝を設ける。
コンクリート床畜舎

資材所要量
イ.床−広さ3坪……牛馬1頭を飼養に要する広さコンクリート厚3寸
| 資 材 名 | セメント | 砂 | 砂 利 | コンクリート総量 |
| 配合比 | 1 | 3 | 6 | 約0.9立方米 (32.4立方尺) |
| 所要量概算 | 4.34袋 | 0.42立方米 (15.32立方尺) |
0.84立方米 (30.13立方尺) |
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| 石油空箱ではかれば約 | 3.36杯 | 9.77杯 | 19.53杯 |
尚6分厚のモルタル仕上げとすれば配合をセメント1・砂3としてセメント約1.94袋砂約0.19立方米(6.87立方尺)石油空箱で約4.42杯要す。
ロ.尿溜 大きさ内側縦4尺,横3尺,深さ5尺………牛馬1頭1日の尿の量は約2貫内外(4−5升)で之に舎内を清掃したりする時の洗水の流入を考えて約其の2倍1日1斗約5貫と見て4尺×3尺×5尺の尿溜を設ければ約10石程容るので,大体3ヶ月分は貯えられます。底厚3寸,側壁厚2.5寸,漏病を防ぐために内面にはモルタル5分厚に上塗する。
| 資 材 名 | セメント | 砂 | 砂 利 | 総 量 | |
| コンクリート | 配合比 | 1 | 3 | 6 | 約0.653立方米 23.475立方尺) |
| 所要量概算 | 3.15袋 | 0.31立方米 (11.03立方尺) |
0.61立方米 (21.83立方尺) |
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| 石油空箱ではかれば約 | 2.44杯 | 7.21杯 | 14.19杯 | ||
| モ ル タ ル | 配合比 | 1 | 3 | 約0.112立方米 (4.02立方尺) |
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| 所要量概算 | 1.21袋 | 0.12立方米 (4.26立方尺) |
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| 石油空箱ではかれば約 | 0.94杯 | 2.79杯 | |||
| 所要量概算計 | 4.36袋 | 0.43立方米 (15.29立方尺) |
0.61立方米 (21.83立方尺) |
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| 石油空箱ではかれば約 | 3.38杯 | 10杯 | 14.19杯 | ||
イ+ロ(除床モルタル塗)
| 資 材 名 | セ メ ン ト | 砂 | 砂 利 |
| 石油空箱ではかれば約 | 6.74杯 | 19.77杯 | 33.72杯 |
厩肥は畜舎から取出し堆積して腐熟してから施用するものであるが,肥料成分の損失を出来る丈少くするために,厩肥舎を造って屋内に堆積するのが有利である。
止むを得ず屋外に堆積するときも,厩肥舎の床と同様堆積場の床をコンクリートとして厩肥中の養分が地下に流出しない様に,又床には傾斜をつけて堆積からの漏液を集め,溜に密封出来る様に設備するのが有利である。
厩肥舎,(厩肥堆積場)の場所は成るべく畜舎に接近して厩肥の搬出に便利で,日光の直射しない北面の庇蔭で排水のよい所がよく,必要に応じて周囲に樹木を植え日光や風雨を遮ることも望ましいことである。
厩肥舎,(厩肥堆積場)の面積は大凡牛馬1頭について2坪あれば足りるが,切返し等のためにこの2倍を用意したいものである。
床は畜舎と同様に,コンクリートとして1間に2寸の勾配をつけ,堆積からの漏出する液肥を導く溜を設ける。厩肥舎の周囲の腰壁は4−5尺(1.2m−1.5m)位の高さまでコンクリートとし雨や液肥の滲み込まぬ様にする。
床は畜舎の場合に準じて造ればいいが,溜は畜舎の溜程に大きくする必要はない。

資材所要領
イ.床−広さ4坪 コンクリート厚3寸
| 資 材 名 | セメント | 砂 | 砂 利 | コンクリート総量 |
| 配合比 | 1 | 3 | 6 | 約1.2立法米 (43.2立方尺) |
| 所要量概算 | 5.78袋 | 0.56立法米 (20.30立方尺) |
1.12立法米 (40.18立方尺) |
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| 石油空箱ではかれば約 | 4.48杯 | 13.02杯 | 26.05杯 |
セメント1,砂3の配合にして5分厚のモルタル仕上げとすれば,セメント約2.16袋砂約0.21◆(7.6立方尺)石油空箱で約4.93杯要す。
ロ.腰壁−高さ4尺 コンクリート厚3寸
| 資 材 名 | セメント | 砂 | 砂 利 | コンクリート総量 |
| 配合比 | 1 | 3 | 6 | 約1.37立法米 (49.14立方尺) |
| 所要量概算 | 6.58袋 | 0.64立法米 (23.10立方尺) |
1.27立法米 (45.70立方尺) |
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| 石油空箱ではかれば約 | 3.1杯 | 14.88杯 | 29.53杯 |
この上にモルタルを上塗して美しい仕上げとしてもよいが,モルタルの上塗をしなくても充分である。
ハ.漏液溜−大きさ内側3尺×3尺×3尺,コンクリート底厚3寸側厚2寸,漏液を防ぐため内面丈モルタル5分厚塗
| 資 材 名 | セメント | 砂 | 砂 利 | 総 量 | |
| コンクリート | 配合比 | 1 | 3 | 6 | 約0.31立法米 (11.15立方尺) |
| 所要量概算 | 1.49袋 | 0.15立法米 (5.24立方尺) |
0.29立法米 (10.37立方尺) |
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| 石油空箱ではかれば約 | 1.15杯 | 3.49杯 | 6.74杯 | ||
| モ ル タ ル | 配合比 | 1 | 3 | 約0.06立法米 (2.19立方尺) |
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| 所要量概算 | 0.65袋 | 0.06立法米 (2.32立方尺) |
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| 石油空箱ではかれば約 | 0.5杯 | 1.4杯 | |||
| 所要量概算計 | 2.14袋 | 0.21立法米 (7.56立方尺) |
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| 石油空箱ではかれば約 | 1.65杯 | 4.89杯 | 6.74杯 | ||
イ+ロ+ハ(除床,腰壁モルタル塗)
| 資 材 名 | セ メ ン ト | 砂 | 砂 利 |
| 石油空箱ではかれば約 | 11.23杯 | 32.79杯 | 62.32杯 |
以上の所要資材量は計算上の数量であるから,実際には上記の2%程度の余裕を見て準備をするとよい。
コンクリート小工事の型枠についての2,3の注意
一.型枠は木材,丸釘,針金を用いて作るが,これはコンクリート工事の補助工事であるから容易に且つ安値に組立てる様に考え,釘打等は出来る限り少くして除去するにも容易な組立にすることが便利である。
二.木材はコンクリートに接する面と,継ぎ合せ縁は削り他面は粗面の儘でよい。堰板の厚さは使用箇所によって違うが,小規模の工事には普通4−8分厚位で充分である。此の他間柱,貫,横貫等角材を用いるが,使用箇所及堰板の厚さにより適宜の太さを用いる。
三.丸釘は堰板の組立に用いるが,普通2寸程度でよい。柱,支柱,貫等の各結合箇所は鎹又はボルドを使用するが成るべく鎹溜にしておけば除去に便利である。其の他用いる針金は電線でよいが,焼鈍したものなら尚よく,12番線位で間に合う。
四.型枠はコンクリートを打つ前にはよく湿し,又堰板の内面に新聞紙の類を貼ることもある。最も普通に用いられる方法は堰板の内面に鉱油か石鹸液を塗ることである。
五.次表に大体の見当を付ける為型枠の面積に要する木材の概数量を示す。
| 部 材 | 木 材 量 | 部 材 | 木 材 量 | |||
| 1uに付 (立法米) |
1平方坪に付 (石) |
1uに付 (立法米) |
1平方坪に付 (石) |
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| 基礎 | 0.050−0.090 | 0.6 −1.10 | 柱 | 0.050−0.080 | 0.6−0.95 | |
| 壁 | 0.050−0.060 | 0.6 −0.7 | 梁 | 0.075−0.180 | 0.9−2.14 | |
| 床 | 0.045−0.070 | 0.54−0.8 | 階段 | 0.075−0.150 | 0.9−1.78 | |
| 屋根 | 0.050−0.075 | 0.6 −0.9 | ||||