| ホーム>岡山畜産便り > 復刻版 岡山畜産便り昭和28年7月号 > 7月のめん羊管理 | 

種雄めん羊の栄養は特に種付期までに十分回復をしていることが必要で,特に種付期間中は精力を消耗するから,滋養に富んだ良質の飼料を豊富に与えてその衰弱を防ぐと共に,種付の能力を十分発揮さすように体力,精力の増進をはかるようにつとめなければならない。
 蹄を放任しておくと蹄壁が次第に伸びて蹄底をおおい,めん羊の姿勢が悪くなり,歩行が困難となるばかりでなく蹄の間に糞,土塊等の汚物が固結したり,不潔のため腐蹄症になるおそれがあるから年に4−5回は剪蹄をすること。
 特に種雄めん羊に対しては特別に注意することが必要で,種付時期に用をなさないことがある。
離乳の時期は仔めん羊の状態にも依るが生後100日位を経たら適当と思われる時に離乳を行わねばならない。離乳は母めん羊から仔めん羊を離せばよいので,此の場合母めん羊は仔めん羊を探し,仔めん羊は母めん羊を慕うけれども数日経てば両者共忘れてしまう。
母めん羊は急に哺乳を中止するために乳房炎を起し易いから一時濃厚飼料を減じ,毎日乳房を検査し1日1回位は搾乳をし,乳房炎の発生を未然に防ぐことが大切である。
泌乳中は母めん羊は相当量の乳を分泌するので栄養もかなり衰えて居る。是れを速かに恢復して置かないと秋種付に思わぬ失敗をする。栄養が良好であれば双仔,三仔と多産であることは良く言われることであって,即ち此の離乳から種付までは雌めん羊の栄養恢復と休養の時期であるから充分にその処置を考えねばならない。
 仔めん羊は此の期は一時体重も増加しないようなこともあるから良質の飼料を充分与え体力の維持増強をはかり1ヶ月2回位は体重を秤ってその発育状況を調べることが肝要である。
 発育のよいものは生後3−4ヶ月で離乳できる。(雌25s,雄27−30s)発育の遅れたものは半ヵ月程度延期する。
仔めん羊は離乳までには必ず登記を済せておかなければならない。
(イ)めん羊舎,運動場は極力清涼にすると同時に換気,採光,乾燥,更蓐等は特に注意すること。
(ロ)防蚊対策
 D・D・Tの油剤を天井や壁に十分噴霧することなども大変有効である。
(ハ)体重に応じて予防注射をすること