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 家畜の人工授精が過去数年来全国的に急速な普及を遂げつつあることは,衆知のとおりであるが,本県においても特に戦後家畜改良増殖の根幹として,健全な人工授精の進展を期しているわけで,その概況は次のとおりである。
 この実績については全国的に見て必ずしも優位にはないが,今後一層の普及発達を計るため関係者各位の自覚と協力が望まれている。
昭和23年家畜保健衛生所併設家畜人工授精所の設置を始めてから漸次,県営,民営の施設が増加し,現在76ヵ所であって,家畜別の明細については,別表1のとおりである。
昭和25年12月以来現在まで5回の人工授精講習会を開催し夫々試験の結果130名の新進気鋭の授精師が合格しこれに獣医師による資格取得者134名を加えて264名の授精師が活躍しているわけである。(別表2参照)
現在県下においては役肉用牛,乳用牛,山羊について人工授精を実施しているが,この内乳用牛については,総種付頭数の92%,役肉用牛では40%が人工授精により種付されている。山羊については民営1ヵ所であるが,県営人工授精所に種牡畜をけい養して,この普及に努めている。(別表3,4参照)
(別表1)家畜人工授精所(昭和28年5月31日現在)
| 総 数 | 役 肉 用 牛 | 乳 用 牛 | 山 羊 | ||||||||
| 県 営 | 民 営 | 計 | 県 | 民 | 計 | 県 | 民 | 計 | 県 | 民 | 計 | 
| 29 | 47 | 76 | 27 (2) | 43 | 70 | 2 (10) | 3 | 5 | (5) | 1 | 1 | 
(別表2)家畜人工授精師(昭和28年5月31日現在)
| 総 数 | 業 務 を 行 っ て い る も の | 業務を行って いないもの | 備 考 | |||
| 主として 乳 用 牛 | 主として 役肉用牛 | 主として 山 羊 | 計 | |||
| 264 (134) | 8 | 248 | 1 | 257 | 7 | ( )内は獣医師数 | 
(別表3)家畜人工授精実施状況(昭和27年度実績)
| 家畜の種類 | 施 設 数 | 種牡畜数 | 授 精 頭 数 | 備 考 | ||||||
| 県 | 民 | 計 | 県 | 民 | 計 | 県 | 民 | 計 | ||
| 乳用牛 ホルスタイン種 | 2 (10) | 23 | 5 | 7 | 4 | 11 | 1,804 | 938 | 2,742 | ( )は県営人工授精所で種畜場より精液の 払下を受け業務を行っている所数 | 
| 役肉用牛 黒毛和種 | 27 (2) | 33 | 60 | 31 | 39 | 70 | 7,079 | 8,569 | 15,648 | ( )は津山,岡山両種畜場を示す。 | 
| 山羊 ザーネン種 | (5) | 1 | 1 | 5 | 1 | 6 | 227 | 300 | 527 | ( )は県営人工授精所で和牛と共に業務を 行っている所数を示す。 | 
(別表4)昭和27年種類別種付成績(自1月1日至12月末日)
| 種 類 | 種牡畜頭数 | 自然種付頭数 | 人工授精頭数 | 計 | |
| 乳 用 牛 | ホルスタイン種 | 14 | 180 | 2,742 | 2,922 | 
| 役肉用牛 | 黒毛和種 | 300 | 22,290 | 15,648 | 38,938 | 
| 馬 | 中間種 | 12 | 268 | − | 268 |