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本県における山羊飼育頭数は年々増加しその頭数は約1万2,000頭を数え,山羊未飼養町村は皆無の状態であるがこれが資質の点については今後一層の改良が望まれている現状である。
地区的には一部登録事業が実施されていたがこれ等の登録事業は発展的に解消され,去る7月1日,日本山羊登録協会岡山県支部が設立され,本年度から登録が実施されることになり,山羊増殖改良に貢献するところが大きく飼育者はこぞって登録を受けるよう望まれている。
なお岡山県支部規定及び登録規程は次のとおりである。
第1条 支部は社団法人日本山羊登録協会岡山県支部と称する。
第2条 支部の事務所は県庁畜産課内に置く。
第3条 支部は下の業務を行う。
1 産仔登記に関する事項
2 基礎登記に関する事項
3 予備登録に関する事項
4 本登録に必要な実務に関する事項
5 高等登録に必要な実務に関する事項
6 泌乳能力検定に関する事項
7 登録知識普及向上に関する事項
8 其の他支部の運営上必要な事項
第4条 会員の資格は本会の定款に準ずる。
第5条 支部に支部長を置く。
支部長は会長が任命又は委嘱する。
支部長は会長の命を受けて支部の業務を掌理する。
第6条 支部に顧問,評議員,参与等を置くことが出来る。
顧問,評議員,参与等は支部長が委嘱する。
評議員,参与等は評議員会,参与会等を組織して支部の業務に関し支部長の諮問に答申し又は意見を具申することができる。
第7条 総会は通常総会及び臨時総会とする。
通常総会は毎年2月に招集する。
支部長が必要あると認めたときは臨時総会を開くことができる。
但し評議員会を以って総会にかえることができる。
第8条 支部職員は支部長が任免する。
支部職員の服務及び給与に関しては支部長が之を定める。
第9条 支部事業計画及び収支予算は毎年度会長の承認を得て支部長がこれを定める。
第10条 支部長は別の規程で定めるものの外下の事項を処理しなければならない。
1 前年度の事業成績及び収支決算を毎年4月末日までに会長に報告する。
2 前月に実施した予備登録の成績を第1号様式により毎月15日までに所定の料金を添えて会長に報告する。
3 前月に証明及び整理した予備登録の移動及び異動の結果を夫々第2号及び第3号様式により毎月15日までに会長に報告する。
4 毎年7月末日,11月末日及び3月末日現在を以って前4ヶ月間に実施した産仔登記及び基礎登記の頭数を翌月末日までに会長に報告する。
5 その年度内に完了し泌乳能力検査の成績を第4号様式により毎年3月末日までに会長に報告する。
6 本登録を受ける山羊の審査が終了したときは第5号様式の審査成績報告書に所定の書類を添えて会長に進達する。
第11条 支部の経費は下に掲げるものからこれを支弁する。
1 事業から生ずる収入
2 有志又は会費の醵出寄附金品
3 助成会若くは補助会
4 その他の収入
第12条 支部の会計年度は毎年度4月1日に始り翌年3月31日に終る。
第13条 支部に下の帳簿を備えて臨時管内会員の請求により閲覧に供する。
1 登録,登記台帳及び検査台帳
2 出納帳及び預金通帳
3 その他必要な書類
第14条 支部長が支部の業務運営上必要ありと認めた場合は適当な地に支所(又は出張所)を設けることができる。この場合支部長は支所(又は出張所)の名称,事務所の所在地及び設置年月日その他必要事項を具して速かに会長に報告しなければならない。
第1条 この会は山羊の優良な血統を保存普及すると共に形質の改良並に能力の向上を図るためこの規程により日本ザーネン種の登録を行う。
第2条 登録は予備登録,本登録及び高等登録の3種とする。
第3条 前条の登録を行うため下により基礎登記並に産仔登記を行う。
基礎登記は品種の特徴を具え繁殖年令に達した山羊で改良の基礎又は材料として適当と認めたものにつきこれを行う。
産仔登記は登録,基礎登記山羊の分娩した離乳前の仔山羊につき検査の上これを行う。
第4条 予備登録は基礎山羊,登録山羊の間又はこれ等相互の間に生れ産仔登記を受けた山羊で生後10ヶ月以上に達し別に定める日本ザーネン種体格審査標準(以下審査標準と言う)により審査の結果得点63点以上のものにつきこれを行う。
第5条 本登録は登録山羊の間に生れ産仔登記を受けた山羊で生後10ヶ月以上に達し審査標準により審査の結果得点70点以上にして父母の繁殖成績良好なものにつきこれを行う。
第6条 高等登録は本登録山羊で下の各項の1に該当するものにつきこれを行う。牝は別に定める泌乳能力の検定の結果その成績優秀なもの。牡は母が高等登録山羊でその生産した山羊の内本登録山羊10頭以上を出したもの。
第7条 官公施設又は外口登録団体の血統書を有するもので本会の認めたものは第4条及び第5条にかかわらず予備登録又は本登録の血統上の資格あるものとする。
第8条 基礎登記又は登録を受けようとする者は基礎登記にあっては関係書類を,予備登録,本登録にあっては産仔登記証明書を添えて第1号様式により高等登録証明書に牝は泌乳能力検定証明書,牡は第6条第3項を証明する書類を添えて2号様式によりこの会に申し込むものとする。
第9条 基礎登記又は登録をなした時はその申込者に対し夫々3号,4号,5号,6号雛形の証明書を交付しその山羊の右耳に基礎登記にあっては1号雛形の入墨,登録にあっては耳標を附する。
第10条 基礎登記山羊又は登録山羊が分娩した時は生後15日以内に3号様式の分娩届に4号様式の1又は2による種付証明書又は人工授精証明書を添えてこの会に届け出で産仔登記を受けなければならない。
産仔登記証明書を受けようとする者はこの会に申込むものとする。但し前項の分娩届を以ってこれに代えることができる。
第11条 産仔登記証明書交付の申込みのあった時は検査の結果適当と認めたものについてはその申込者に2号雛形の証明書を交付しその山羊の左耳に1号雛形の入墨を行う。
産仔登記を受けた山羊につき生後24ヶ月以内に登録の申込をしない時は登録を受ける資格を失うものとする。
第12条 登録及び基礎登記の審査はこの会の審査員2名以上でこれを行い,産仔登記の検査はこの会の登録委員がこれを行う。登録委員は本規程並に別に定める登録規程取扱手続,登録委員規程,同執行心得により審査及び検査を行うものとする。
第13条 登記,登録山羊の所有権に移動があった時又は相続によりこれを取得した時は譲受人又は相続人は5号様式による移動証明申込書に登記,登録証明書を添えてこの会に提出し移動証明書を受けなければならない。
第14条 登記登録証明書を毀損し又は亡失したときはその所有者はこの会に6号様式による申込みをなし書換え又は再交付を受けるものとする。
再交付の証明書には「再」の字を印するものとし,原証明書はその効力を失う。
第15条 登記,登録山羊がへい死し又はこれをと殺もしくは殺処分したときは,その所有者は直ちに7号様式による異動届に登記,登録証明書を添えて届出でなければならない。
第16条 登記,登録に関し虚偽又は不正の行為があったときはその登記,登録を取り消しこれを公告する。この場合その登記,登録証明書は返納せしめる。
第17条 登記,登録につき錯覚を発見したときはこれを更正する。但し更正し得ないものは前条の例による。
第18条 登録をなした山羊はこの会の発行する登録簿によるほか適当な方法により随時これを公告する。
第19条 登録料登記及び手数料は下のとおりとする。
1 基礎登記料 1頭に付50円以上(岡山県100円)
2 予備登録料 150円以上(岡山県200円)
3 本登録料 400円
4 高等登録料 500円
5 産仔登記証明書交付手数料 50円以上(岡山県100円)
6 移動証明手数料 50円
7 証明書書換手数料 100円
8 証明書再交付手数料 100円
第20条 前条の料金はその申込の際納付するものとする。但し既納の料金は返付しない。
第21条 登録について特別の費用を要するときは申込者はその一部又は全部を負担するものとする。
第22条 登記,登録に用いる記号及び符号は下のとおりとする。
基礎登記 基 郡符号 号
産仔登記 仔 〃 〃
予備登録 予 県符号 〃
本登録 本 番号
高等登録 高 番号
第23条 この規程による本登録,高等登録の事務はこの会が行い,予備登録及び登記の事務は支部においてこれを行う。
失格
一 大異毛色斑(著しい刺毛を含む)
二 間性
三 陰睾
四 牡の副乳頭及び牝の重複乳頭
減点
一 淡色異毛(頭又は背が淡褐,淡黄色を帯びるもの)3点以内
二 皮膚の斑点(見苦しき程度のもの) 3点以内
三 小異毛色斑(クルミ大以下のもの) 3点以内
四 牝の副乳頭 5点以内
五 体積の乏しいもの(別に定める標準の程度による)5点以内
備考 上減点は総評点より控除する。
被毛白色で,完熟したものの体高,牝は約75p(約2尺5寸),牡は約85p(約2尺8寸)体重,牝は約52.5s(約14貫),牡は約63.7s(約17貫)に達するのを標準とする。
| 区分部位 | 説 明 | 評 点 | |
| 牝 | 牡 | ||
| 頭 頸 | 10 | 13 | |
| 顔 | 輪郭が鮮明で怜悧の相を呈し寧ろ長く額は充実し両眼の間広く,鼻梁は真直で顎が強く良く張ったもの 眼は活大清玲で温和に見えるもの 耳は大さ中等形質良好で立ち,又は稍前方に傾き附着のよいもの |
5 | 7 |
| 口 鼻 | 口は広く口裂深く,唇よく緊り,鼻鏡は広くて鼻孔の潤大なもの | 2 | 2 |
| 頸 | 長くて優しく,牡では稍強く頭及び肩への移行が滑かなもの | 3 | 4 |
| 前 躯 | 8 | 12 | |
| 肩 | 附着緊密で適度に傾斜し中躯への移行が滑かでき甲の良く緊ったもの | 4 | 6 |
| 胸 | 深く広く胸前及び腋は充実し胸底の広いもの | 4 | 6 |
| 中 躯 | 12 | 14 | |
| 背 腰 | 背は長く強く真直で棘状突起の著明なもの 腰は広く強く背と水平で後躯への移行が良いもの |
5 | 7 |
| 肋 腹 | 肋は深くて良く開張し肋間の広いもの 腹は深く豊裕で緊りがあり下肋は深く充実したもの |
7 | 7 |
| 後 躯 | 15 | 17 | |
| 腰 角 | 適度に顕われ腰角間の広いもの | 3 | 3 |
| 尻 | 傾斜は緩く長く広く緊実して殆んど平らなもの 臀は坐骨が広く充実したもの |
9 | 10 |
| 腿 | 外側程よく充実し,股間は広くて股裂の深いもの | 3 | 4 |
| 肢 蹄 | 6 | 8 | |
| 肢 蹄 | 四肢の長さ中等で肢勢正しく関節及び筋骨は堅実鮮明で繋強く蹄は形質良好で歩様の確実なもの。 | 6 | 8 |
| 乳器,生殖器 | 24 | 11 | |
| 乳 房 | 容積は大で均等に発達し良く前後に拡り且つ巾広く附着の良いもの 質は柔軟で弾力に富み,静脈が網状に顕われ被毛の少ないもの |
14 | − |
| 乳 頭 | 形質良好大さ適度で均度発達し,附着が良く乳孔の過少でないもの | 5 | 3 |
| 乳 脈 | 太く長く屈曲して,大きな孔窩に入るもの | 5 | 2 |
| 睾 丸 | 発育正常で形質良く適度に垂下しているもの | − | 6 |
| 一般外貌 | 25 | 25 | |
| 均 称 | 体の各部良く発育し頭,頸,躯幹及び躯肢の均合が良好で牝では楔形に近いもの | 7 | 7 |
| 体積,体質 | 体質強健発育良好で体躯は広く深く且つ伸張し,体積豊かで寧ろ角立ったもの | 8 | 8 |
| 被毛,皮膚 | 被毛は寧ろ短く繊細柔軟で光沢があり皮膚は触感良好で稍薄く余裕のあるもの | 5 | 5 |
| 品位,性質 | 輪郭は鮮明で品位に富み性質温順で活気があり,牝では優雅,牡では強壮な性質を具え共に悪癖のないもの | 5 | 5 |
| 計 | 100 | 100 | |
減点第5項(体積の乏しいもの)の別に定める標準は下に依るものとする。
牝は体高約70p(約2尺3寸)体長約73p(約2尺4寸)胸囲約80p(約2尺6寸)牡は体高約75p(約2尺5寸)体長約77p(約2尺5寸5分)胸囲約85p(約2尺8寸)
以下のものについては程度により5点以内に於て減点する。
一.各部位の減点は次の基準によって行う。
AA 特に優秀なもの 10%以内
A 優れてよいもの 11−20%
BB 良好なもの 21−25%
B 稍々良好なもの 26−30%
C 普通なもの(少し欠点の認められるもの)31−35%
D 相当欠陥の認められるもの 36−44%
E 甚だしく欠陥の認められるもの 45%以上
二.総評点から減点する事項は次の基準によって行う。
1.淡色異毛(頸又は背が淡褐色淡黄色を帯びるもの)
頸の上縁部に幾分あるもの 0.5点以内
頸の上縁部に目立ってあるもの 0.5−1.0点
頸から肩にかけて目立ってあるもの 1.0−2.0点
頸から背丈は腰にかけて目立ってあるもの 2.0−3.0点
2.皮膚の斑点(見苦しき程度のもの)
頭部或は乳房に限定し目立ってあるもの 0.5−1.0点
頭部と乳房に目立ってあるもの 1.0−2.0点
体の各部に目立ってあるもの 2.0−3.0点
3.小異毛色斑(胡桃大以下のもの)
小指頭大以下のもの 0.5−1.0点
拇指頭大に近いもの 1.0−2.0点
胡桃大に近いもの 2.0−3.0点
4.副乳頭
(図) 1.0点以内
(図) 1.0−3.0点

5.体積の乏しいもの(別に定める標準の程度により)
審査標準別記に定める数値(pによる)に達しない数値の合計を6で除して得た数値を減点数として減点する。
三.失格の「牝の重複乳頭」とは下図に示すような略々同大の乳頭が一乳区に2個以上あるもの,又は乳頭の先端が分岐しているものをいう。

四.肉髯は頸の部位で審査する。
肉髯の有無は問わないが有るものについては左右均称を欠ぐもの,その位置形質が不良なものは頸の部位から減点する。
五.尾は尻の部位で審査する。
尾の附着の不良なもの,形の不良なもの,大きさが適度でないものは尻の部位で減点する。
六.乳脈の不明なものは次のように減点する。
(1)未経産又は涸乳期の牝で不明なものは乳房と略々同一の減点をする。
(2)牡で不明なものは乳頭と略々同一の減点をする。
七.睾丸は審査標準に合致する正常なものは10%の減点
八.所謂ウルミ(全体が純白でなく淡黄色又は淡灰色を帯びてぼやけて見えるもの)のあるもの及び長毛は被毛皮膚の部位で減点する。