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 ここ数年来の養鶏熱で岡山県下の養鶏羽数もうなぎ上りに増えているが,農林省岡山統計調査事務所が27年1月から28年2月にかけ県下2,000戸の養鶏農家および50の大羽数(50羽以上)飼育者について調べた県下養鶏動態調査によると,27年1月−8月までは86万羽から89万羽前後だったが,春ヒナの成育した9月から11月にかけてぐっと増え11月には137万7,000羽と1月の86万9,500羽にくらべ53.5%増に達し,それ以後は120万羽から134−135万羽の間を上下して老鶏を淘汰する2月末現在でも124万1,000羽で愛知,長野,北海道について全国第4位にハネ上っており,昨年8月頃の全国第8位にくらべてここ数ヵ月間に著しく増加している。
 このため県下の産卵量は月平均1,800万個前後を維持し,とくに本年2月には1,918万7,000個で戦後最高の成績を示し,昨年12月から本年2月までの3ヵ月間の平均では全国鶏卵数の4.5%を占め,12月には一躍第2位へハネ上ってそれ以後ずっと愛知県についでの大産地になっている。
 しかし成鶏の年令も産卵率の高い6ヵ月から2年未満のものは全体の86%で全国平均なみだが,廃鶏に近い3年以上のものが2%と全国平均の2倍もあるため,今後他府県に対抗するためにはかなりの努力が必要である。
 農協,養鶏組合,孵卵業者などを通じて共同販売されている卵は14%で全国平均の30%をはるかに下まわる半面,仲買人,小売業者など個人販買されているものは86%で全国平均の70%を上回っているため今後この県下養鶏の弱味を改善して行かなければならない。
(表)月別成鶏めす飼養羽数,産卵率及び産卵量
| 月 別 | 飼 養 羽 数 | 産 卵 率 | 産 卵 量 | 
| 千羽 | % | 千個 | |
| 1 月 | 869.5 | 47.9 | 12,908 | 
| 2 月 | 856.6 | 50.7 | 12,582 | 
| 3 月 | 823.5 | 60.4 | 15,414 | 
| 4 月 | 916.3 | 65.9 | 18,106 | 
| 5 月 | 929.1 | 63.7 | 18,353 | 
| 6 月 | 920.1 | 62.1 | 17,139 | 
| 7 月 | 894.4 | 57.3 | 15,855 | 
| 8 月 | 891.3 | 53.2 | 14,718 | 
| 9 月 | 1,243.80 | 42.8 | 15,962 | 
| 10 月 | 1,320.00 | 36.5 | 14,937 | 
| 11 月 | 1,377.10 | 34.5 | 14,261 | 
| 12 月 | 1,328.20 | 39.7 | 16,363 | 
| 28 年 1 月 | 1,272.60 | 42.6 | 16,810 | 
| 2 月 | 1,241.00 | 55.2 | 19,187 | 
(表)岡山県が全国に占める地位(昭和27年)
| 順 位 | 県 名 | 年間産卵量 | 貫 換 算 | 
| 千個 | 貫 | ||
| 1 | 愛知 | 297,678 | 4,252,542 | 
| 2 | 長野 | 227,681 | 3,252,585 | 
| 3 | 静岡 | 197,379 | 2,819,700 | 
| 4 | 岡山 | 186,598 | 2,665,685 | 
| 5 | 北海道 | 185,838 | 2,654,828 | 
| 6 | 埼玉 | 176,767 | 2,525,242 | 
| 7 | 千葉 | 163,275 | 2,332,500 | 
| 8 | 新潟 | 65,503 | 937,571 | 
| 9 | 福岡 | 64,485 | 921,213 | 
| 10 | 茨城 | 62,610 | 894,428 | 
備考 第4期(12月−28年2月)
   1位 愛知 81,138,000個
   2位 岡山 52,360,000個
   3位 静岡 51,287,000個
   4位 長野 50,404,000個
   5位 福岡 45,359,000個
 (註)これを調査期別にみると第3期(9月−11月)では全国第3位第4期(12月−昭和28年2月)は全国第2位である。