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図−18に診断農家の成雌牛1頭当たりの売上高、差引生産費及び経常所得の推移を示した。
平均売上高は平成5年に大きく下降したが、それ以降徐々に上昇しており、平成9年では280千円と昨年に比べて13千円増加している。これは売上高のほとんどを占める子牛販売収入が増加したためである。
図−19に診断農家の販売子牛1頭当たりの生産原価(労賃を除く)を示した。15〜20万円の階層が最も多く8事例(32.0%)で、その次は25〜30万円の階層で6事例(24.0%)であった。生産原価が30万円を越えたのはわずか1事例であった。成雌牛1頭当たりの差引生産費の推移は図18のとおりで、平成9年では291千円となっており、昨年に比べて20千円減少している。
図−20に診断農家の成雌牛1頭当りの経常所得の分布を示した。5〜10万円及び15〜20万円の階層が7事例(28.0%)づつで最も多く、次は0〜5万円の階層の5事例(20.0%)であった。所得が20万円を超える事例が2事例(8.0%)あった一方、所得がマイナスになっている経営も1事例(4.0%)あった。
経常所得の推移は図−18のとおりで、子牛販売収入の増加及び生産費用の削減により、平成9年の平均所得は110千円となっており、昨年に比べて22千円増加している。ただし、子牛販売収入は平成5年から増加しているが、所得は増加減少を繰り返しており、生産費用の削減を図らなければ所得の向上は望めない。