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図23に診断農家の成雌牛1頭当たり売上高及び生産原価の推移を示した。
1)売上高
売上高は平成5年度に大きく下降した後、徐々に上昇していたが、平成 10年度では246千円と前年に比べて33千円減少している。これは売上高のほとんどを占める子牛販
売収入が減少したためであるが、販売子牛1頭当たり価格は前年に比べて大きな差がないので、成雌牛1頭当たり子牛販売頭数の少なさが大きく影響している。
診断農家の成雌牛1頭当たり売上高の分布では,25〜30万円の階層が最も多く8事例
(32.0%)となっており、続いて20〜25万円の階層で6事例(24.0%)であった。 売上高が20万円を下回る事例が6事例(24.0%)もあり、これらの事例では成雌牛1頭当たり子牛販売頭数が極めて少なかった。
2)生産原価
生産原価は平成6年度に大きく上昇したが、その後は低下しており、経営努力がなされていると言える。しかしながら、生産原価は常に売上高を上回っており、平成
10年度では15事例(60.0%)が売上総利益がマイナスとなっている。
図25に診断農家の成雌牛1頭当たり生産原価の分布を示した。平均は 288千円であったが、最大は543千円、最小は148千円とその差は395千円もあり、経営間の差が極めて大きかった。また、生産原価が40万円以上の経営が4事例(16.0%)もあり、これらの事例では労働費が高くなっている。
3)経常所得
図26に診断農家の成雌牛1頭当たり経常所得の推移を示した。子牛販売収入の減少が大きく影響し、平成10年度の経常所得は79千円となっており、生産原価が減少したにもかかわらず前年に比べて
30千円の減少となっている。
図27に診断農家の成雌牛1頭当り経常所得の分布を示した。 0〜5万円、5〜10万円及び10〜15万円の階層が7事例(28.0%)づつで最も多かった。所得が 20万円を超える事例が2事例(8.0%)あった一方、所得がマイナスになっている経営も2事例( 8.0%)あった。